症例紹介

症例1. とびひ

とびひと合併するアトピー性皮膚炎

初診:2歳 女児

初診時 写真①

 

お尻を中心に引っ掻きが激しく
皮膚がえぐれた(潰瘍)状態の皮疹がたくさんありました。
これだけ皮膚が傷んでいると強い痛みを伴うはずですが、
それよりも痒みの方が勝って掻き続けていました。
このような場合は、アトピー性皮膚炎や
アレルギー背景の存在が考えられ、
検査の結果それらが確認されました。
また、局所からは黄色ブドウ球菌が検出されました(3+)。
抗菌剤を内服しながら、抗生剤配合のステロイド外用で治療を始めました。

写真 ② 1週間後

 

1週間後には非常によくなりました。

写真 ③ 6週間後

 

その後はアトピー性皮膚炎の治療を続けて
6週間後には傷跡もなくなり、きれいな皮膚になりました。


※写真掲載の許可を得ました。

 

症例2. 酒さ①

無原則に処方されたと思われるステロイドとプトピックを連日外用したことによって生じた「ステロイド酒さ」

30代女性

初診時 写真①

この患者さんは、もともと顔に何があったのかはわかりませんが、
問診では3~4年に亘ってステロイド外用薬とプロトピック軟膏の処方を受けて
連日外用していました。
良くない症状が続き、最近になって「酒さ性痤瘡(ざそう)」と診断され、
両薬剤を中止して痤瘡(ざそう)の治療に切り替えたところ、
顔が赤く腫れあがってしまいました(写真①)。

2年後 写真②

 

当クリニックに来られ、「ステロイド酒さ」の診断のもと
皮膚への外用剤として亜鉛華軟膏のみしか使わない治療によって
2年後には腫れ、赤み、ブツ(丘疹)が完全になくなり、
元の健康な顔に戻られました(写真②)。

※ 同じような悩みを持つ方のためにと写真掲載の了承をいただきました。

 

症例3. 乳児湿疹

明らかに冬に悪化するタイプの乳児湿疹

初診:4か月 男児

9月初旬にこられた4ヶ月の男の赤ちゃんです。
初診時、肩前、腋前に円形(環状)の乾燥、落屑する皮疹があり、
膝の内側や足首、足背にも同様の皮疹がありました。
前医では、2~3倍に薄められたマイルドステロイドがよく効いて
良い状態を保っていたということでしたが
スッキリと治りきらないということで紹介され
当クリニックを受診されました。

紹介元のステロイドがちょうどよく効いていましたので、
追加処方して続けていただき、
11月までは顔と体の一部に環状の皮疹が残る程度で
良い経過を示していました(写真①)。

良い経過 写真①

 

12月に入ると写真②のような環状の派手な皮疹が
体を中心にたくさん出てきました。
掻き動作が徐々に増加してきましたので、
ステロイド外用を2段階
(※当クリニック基準による全10段階)
上げて治療を開始し、約2ヵ月で写真③まで落ち着きました。

冬悪化 写真②

 

外用強化で治療 写真③

 

乳児湿疹にみられるこのタイプの皮疹(環状疹)は、
冬季に勢いを増す乾燥性のものであまりかゆみを伴いません。
暖かくなるにつれ自然に軽くなっていきますので
放置しておいてもよいのですが、
あまりに派手に出ているとお母さんが不安になるといけませんので、
お薬で少し抑えてみることにし、様子をみています。
いずれ加齢とともに、また暖かくなるにつれ
自然に良くなっていくはずです。

※ 写真掲載の許可をいただき公開しています。

 

症例4.酒さ②

赤ら顔の治療:肉芽腫性酒さ

70代 女性

初診時 写真①

初診の10ヶ月前、顔に赤い点々がでてきたと近くの皮膚科にいき、
ステロイドを処方されたが効果なく、
さらに別の皮膚科でプロトピックを処方されたが一向に良くならず、
両頬が赤く少し腫れた状態で来院された患者さんです。
皮膚病理検査をしたところ、
真皮に肉芽組織といわれるものがビッシリと認められたので、
「肉芽腫性酒さ」と診断しました。
肉芽組織は、何らかの物質を食べてそれを消化しようとするが、
消化しきれない状態を表すと考えられ、
この場合毛孔の詰まりが原因で皮脂が食べられている反応と考え
ニキビに対する治療をおこなったところ、
約3ヶ月で写真②のようにきれいになりました。

写真②

 

※ 同じような悩みを持つ方のためにと写真掲載の了承をいただきました。

 

 

症例5. 酒さ③

赤ら顔の治療:ステロイド酒さ

50代 男性

初診時 写真①

 

めずらしい男性の赤ら顔です。
ステロイドと免疫抑制剤の外用を塗っているうちに
顔の赤みとブツが続くようになり、
当クリニックに来院されました。
皮膚病理検査をしたところ、湿疹・皮膚炎でした。
ステロイドと免疫抑制剤の外用を止めました。
一時反動がありましたが次第におさまり、
よい皮膚状態に落ち着きました。

写真② 9ヶ月後

 

※ 同じような悩みを持つ方のためにと写真掲載の了承をいただきました。



症例6. 酒さ④

赤ら顔の治療:酒さ

50代 女性

初診時 写真①

 

顔が赤くなり、酒さと診断された。
抗アレルギー剤、抗生物質、抗原虫薬、漢方、にきび薬、保湿剤、プロトピック・・・
あらゆる内外用剤やレーザー治療でも改善せず辛い状態が続くと来院されました。
当クリニックの肌にやさしい治療で改善し、大いに喜んでおられます。
ご自分で撮影された治療前後写真の掲載許可をいただきました。

写真② 5ヶ月後

 

 

 

症例7. 酒さ⑤

赤ら顔の治療:薬物性酒さ

50代 女性

初診時 写真①

2年前から他の皮膚科で化粧かぶれと診断をうけてステロイド外用や
漢方の治療を受けておられました。
一時的に赤みが引いても薬が切れるとまた赤みがでることを繰り返していました。
また別の皮膚科でも同様にステロイド治療をうけておられました。
当クリニック受診までに使用した薬剤は、ステロイド(キンダベート)4本、
プロトピック1本ですが、額と頬に顕著な赤みがあり、タクロリムスを
初診の3日前に止めたので少し腫れもあります。


写真② 9ヶ月後

当クリニックでは積極的治療はおこなわず、
薬剤停止の反動で悪化しないようにしました。
9ヶ月後には白い肌になりました。

※ 同じような悩みを持つ方のためにと写真掲載の了承をいただきました。