初診:4ヵ月 男児
9月初旬にこられた4ヶ月の男の赤ちゃんです。
初診時、肩前、腋前に円形(環状)の乾燥、落屑する皮疹があり、膝の内側や足首、足背にも同様の皮疹がありました。
前医では、2~3倍に薄められたマイルドステロイドがよく効いて良い状態を保っていたということでしたが、スッキリと治りきらないということで紹介され当クリニックを受診されました。
紹介元のステロイドがちょうどよく効いていましたので、追加処方して続けていただき、11月までは顔と体の一部に環状の皮疹が残る程度で良い経過を示していました(写真①)。
良い経過 写真①
12月に入ると写真②のような環状の派手な皮疹が体を中心にたくさん出てきました。掻き動作が徐々に増加してきましたので、ステロイド外用を2段階(※当クリニック基準による、全10段階)上げて治療を開始し、約2ヵ月で写真③まで落ち着きました。
冬悪化 写真②
外用強化で治療 写真③
乳児湿疹にみられるこのタイプの皮疹(環状疹)は、冬季に勢いを増す乾燥性のものであまりかゆみを伴いません。暖かくなるにつれ自然に軽くなっていきますので放置しておいてもよいのですが、あまりに派手に出ているとお母さんが不安になるといけませんので、お薬で少し抑えてみることにし、様子をみています。いずれ加齢とともに、また暖かくなるにつれ自然に良くなっていくはずです。
※写真掲載の許可をいただき公開しています。